忘れられない大失敗

忘れられない大失敗

忘れられない大失敗

 

専門学校卒業後、親戚の家でアルバイトをしていた頃は、周辺の気の良いおばさんに囲まれて甘えさせて仕事をさせてもらっていました。しかし、そのおばさま達の勧めもあり、正社員として転職をしました。

 

それまでは生産職で同じ作業を繰り返せばいいだけの仕事でしたが、次の仕事は接客業。全くの畑違いの業務に戸惑う事ばかりでした。

 

全く知識の無い子の方が、素直に受け入れられるから、と言ってくれた奥さんの励ましも、なかなか期待に応えられず、以前勤められていた方のカルテに記された功績に、一人勝手に落ち込んだりもしました。

 

でも出来る事はせねばと思い、なかなか覚えられない顧客の特徴、商品の特徴や先輩の接客法などメモに取ったり、時間のある時には手の届く範囲から掃除をしたり、なるべく隙間時間を埋める様努力しました。

 

業績がどんどん上がるような事は無かったですが、丁寧な接客を心掛けていたので、幅広いお客様に頼りにしてもらう事も増え、少しずつですが仕事に馴染んでいきました。

 

その職場は四年ほど働いたと思うのですが、だいぶ馴染んできた頃だったと思います。そのお店では、馴染みのお客様には掛売をする事があり、もちろん入金、掛売の台帳管理はきちんとするのは当たり前なのですが、一度トラブルを起こしてしまい、接客の難しさを痛感した事があります。

 

お客様の中に、私の苦手なタイプのハキハキはっきりタイプのお客様がいらして、ある日、掛売残金もうないよね、と話しかけられたので台帳を見ると、一件のお支払いがまだだったので、そうお伝えしたのです。

 

すると、その商品代金は前回必ず支払ってあるはず、私がそんな事を(勘違いなんか)するはずが無い!あなた一体なにやってるの!と、厳しくお叱りを受けました。

 

正直に言うと、従業員の誰が掛売をしたか、お金を受け取ったのか、台帳に記載したのか、その時のレシートをめくってみないと分からないのですが、当時の私は他人に怒鳴られたのが初めてで、ただうろたえ、泣いてしまいました。

 

その後きちんと調べると、お客様の言う通り入金は済まされていて、結局、台帳への記載ミスというのが判明しました。誰の失敗だったかは伝えられませんでしたが。

 

若かった私は色々不満もあったのですが、お客様への伝え方や、態度に不備は無かっただろうかと考えると、あまりいい伝え方では無かったと思い当たりました。誰でも、自分が悪いと思っていないと大きな態度に出てしまう事もあります。

 

でも、お客様はお客様。自分は一歩下がる立場だと言う事を頭に叩き込む必要があったのです。数年働かせてもらい、気が緩んだのかもしれません。そのお客様の所に後ほど、個人的にお詫びの手土産を、気持ちだけですが持参しました。その時も恥ずかしかったです。

 

働いていると、思うようにならない事、理不尽な事が毎日のように起こります。何のために働いているんだろうと思う事ももちろんあります。

 

でも、その経験は無駄にはならない。時間はかかるかもしれませんが、後から自分の力になる時が、必ず来るはずです。そして、あの時の自分、まだまだだったなと笑い話になる時が来るのです。