飛び込み営業の毎日が本当につらかった

飛び込み営業の毎日が本当につらかった

飛び込み営業の毎日が本当につらかった

 

新入社員として入ったのは地方の広告代理店でした。

 

営業として採用されましたが、当初、新人は仕事を覚えるということで電話をとったりお茶くみをしてりイベントの準備やスタッフとしてこき使われていました。でもそれらの下積みの裏方の仕事は当たり前ですし、礼儀を学んだり人の名前を覚えたりできるのでまったく苦ではありませんでした。

 

ところが実際に営業まわりをしろと指示されたとき、我々新人には既存の顧客がありませんでした。それをまったく見知らぬ土地で飛び込み営業をして取ってこいと言われたのです。

 

私はアポイントもとっていない会社へ飛び込んで、誰かと話をするということがとても失礼にあたるのではないかと思い、本当にこの仕事がつらかったです。営業職というのが体育会系だったときの名残なのでしょうか、上司は「根性で仕事をとってこい」としか言いません。

 

私は大して利益にもならない求人広告の企画書をもって、日がな一日飛び込みをつづけました。当てはないので業種も関係なく、ただひたすら飛び込むのです。こちらの商品の話はそっちのけで宗教の勧誘をされたこともありますし、野良犬のように追い払われたこともありました。

 

ただただ人間としての自信や誇りを削られていくだけの日々でした。

 

きっとある種の人間にとってはこのやり方が「なにくそ」という競争魂に火をつける教育方法なのだと思います。でも、文科系でおっとり育ってきた私には、「どうしてこんなに無意味なことをさせるのだろう」とただ疑問でしかありませんでした。

 

このやり方で成長していった同期もいるので、合う人には勉強になるのだと思いますが、私にはむいていませんでした。

 

この経験を人に話すと「どんな人とも人見知りせず話す度胸がついたでしょう」と言われますが、もともとどんな人とも分け隔てなく会話できる人間だったので、やらなくて済むのなら私はこの経験はしなくてよかったなと思っています。

 

石の上にも3年と言われ、3年間我慢しましたが、私には向いていませんでした。その後担当を与えられ、その顧客に企画を提案しふくらましていくという作業の方が自分には合っていました。そのことが分かっただけでも良かったのかもしれません。